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っ!デジカメプリントって、みんなインクジェットじゃないの?

少しながい話になりますが・・・


写真屋さんのお話、
印画紙について。


 写真屋さんに出して出来上がってきた写真は、少し厚みがあり、写真が写っている表面はちょっと柔らかい感触があることにお気づきでしょうか。写真の表面にはなるべく手を触れない方が良いですから、直接手で感触を確かめたことのある方は少ないでしょうが、なんとなくヌメっとしているように感じる方もいらっしゃると思います。実際、少し柔らかいのです。実は、写真屋さんの写真(印画紙)の表面はゼラチンで出来ているのです。
 ゼラチンと聞くと、お菓子などの材料や美容に良いコラーゲンなどを連想される方も多いでしょう。そうです、あのゼラチンです。一般に私達が生活の中で目にするゼラチンは、みずみずしくてプルプルした印象が強いですね。それはゼラチンが水分を保持する機能を持っているからです。ゼラチン自体がみずみずしくプルプルなわけではありません。ゼラチンは網の目のような形をしていて、それがあたかもカゴのように水の分子を持っているとプルプルになるというわけです。
 写真屋さんの印画紙の場合には、ゼラチンのカゴの中には色素と呼ばれる色の付いた物質が入っています。写真に写っている像は、無数のゼラチンのカゴに入れられた色素が集まって出来ています。可愛いわが子の像はゼラチンのカゴに守られて永遠の笑顔を見せてくれているというわけです。
 このゼラチンのカゴに入った色素から、私達の目にはどのように色が見えているのかというと、実は色素自体の色を見ているわけでは内のです。もう少し厳密な言い方をしますと、色の付いた色素に反射した光を見ているわけではありません。そうではなくて、色素を透過した光を見ているのです。
 印画紙の裏側は、少し厚手の白い紙になっています。もちろん、こちらはゼラチンではありません。ゼラチンはこの白い紙の上に薄く塗られているのです。そのゼラチンの薄い膜のなかに写真の像があります。写真を見ているときの部屋の明かりは、ゼラチン膜を透過して白い厚手の紙まで達します。そこで光は反射し、再度ゼラチン膜を透過して私達の目に映るのです。このように、私達はゼラチン膜を往復二回透過した光を見ています。その際に、ゼラチン膜のなかのカゴに入っている色素は、ステンドグラスのような働きをして像を作り出しているのです。
 ゼラチンのカゴの中に守られている小さなステンドグラスが無数に白いキャンバスのうえに散りばめられている。そこを透過した光が可愛いわが子の笑顔として私達の瞼に像を結ぶ。それが「写真屋さんが作る写真」の仕組みなのです。

※富士フイルム(株) アルバムカフェプロジェクトより

インクを吹き付けて印刷するんじゃないんだね!

「キレイで長持ち」のしくみ(発色と保存性)




印刷の場合は、「色が付く」(発色)とは、インクが紙の表面に付着することです。
「付いた色をそのまま保存する」(保存性)とは、付着したインクがはがれないことです。
「インクが付着する、はがれない」。
これが印刷という方式の基本原理です。


 写真屋さんで作る写真の場合は、
「色が付く」とはゼラチンのカゴに入っている最初は透明な色素が、光を受けて
化学反応を起こして色づく、ということです。
「付いた色をそのまま保持する」とは、
色素がキレイに発色するステンドグラスになった段階で
化学反応を止める、ということです。
化学反応が起きる前も、起きているときも、
反応が止まって写真になった後も、
色素はずっとゼラチンのカゴの中に入ったままです。


「色素に化学反応が起き、止まる」。これが、
「写真屋さんで作る写真」の基本原理です。

最後までご覧いただきありがとうございます!


←ちなみにこんな感じの大きな機械でプリントしています。

皆さんの写したデジカメ画像を光の信号に変換し、
レーザー光線で印画紙に「露光」しています。
そして、現像液の中を通り、乾燥させて、
キレイな写真が出来上がります。